apied 2019.9
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育てて、食食べべてて、、りんごと生きて65年 大阪よりもひと足早く秋が訪れる岩手県。りんごの収穫は、秋から冬のはじめにピークを迎えます。奥州市水沢地区限定生産のブランドりんご「赤い誘惑」を栽培する果樹園にも、赤や黄色のりんごがたわわに実っていました。 収穫に精を出していた千田徳郎さんは、りんご栽培ひとすじの大ベテラン。「食うことがいちばん大事」という両親の言葉に従い、中学卒業後、この道へ。以来65年、人々が口にする作物を育てる大切さを感じながら、りんご栽培で身を立て、現在に至ります。「もう少し学校で勉強したいと思ってたけど、りんご栽培も学問みたいなもんだな。どうやったら甘くおいしく育つかなぁと毎年毎年やっていたら、65年も経ってしまったよ。やめたいと思ったこと?ないなぁ。育てるのが楽しいもん。ハッハッハッ」。りんごを育てることはもちろん、食べるのも大好きで、農作業中の休憩では、樹からもぎ取ってガブリ。「お医者さんにもりんごを食べているから医者いらずだ、と言われるよ」と笑いますが、年齢とともに重労働と感じることも増えてきました。「でも、自分が育てたりんごがおいしいと思うし、好きだからね。まだまだやめるつもりはないね」と笑顔がはじけます。81歳の今日まで、雨の日も風の日もりんごを育てることに一生懸命向き合ってきた千田さん自慢の「水沢の赤い誘惑」は、食べるのもやめられないおいしさです。とくろうちだ水沢の赤い誘惑りんご生産者 千田徳郎さん 15「『赤い誘惑』は大きいから、食べごたえがあるよ」。「休憩時のおやつも毎日りんごだよ」と妻の涼子さん。りんごの話をする時、いきいきとした表情になる千田さん。晴れやかな青空の下、太陽の晴れやかな青空の下、太陽の恵みをたっぷり受けるりんご。恵みをたっぷり受けるりんご。

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