本部版アピエ 2023年12月号
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しじみは宍道湖の恵み、たくさん食べて欲しいは、「しじみの良し悪しに関係なく、今獲れるだけ獲ったらいい」では長くしじみ漁を続けられないと考えています。宍道湖漁協では、漁に出るのは週4回、午前中のみとルールを決めて、しじみ漁を行っています。のしじみを獲りますが、イトハラ水産が扱うのはそのうち240tのみ。もっ宍道湖でしじみ漁に携わる私たち宍道湖全体では1年間で4500tとたくさん扱ってもいいのでは?と言われることもありますが、質の悪いしじみを扱うのは本意ではありません。出荷までの品質検査やこれから先も宍道湖でしじみを獲ることを考えると、これが適量。このイトハラ水産の考えに賛同してくれて、良いしじみを納めてくれる約50人の漁師に限定しています。提供先もいずみ市民生協さんなど、私たち生産者の思いを受け止めてくれるところだけ。身の丈以上のことをやろうとすると宍道湖に負担をかけるし、おいしくないしじみも獲ることになります。どこかに無理が出てしまうやり方は、宍道湖も私たち生産者も食べる人も幸せにならないと思っています。会社から歩いてすぐの場所に宍道湖はあります。毎日宍道湖を眺め、しじみ漁師から届くしじみを見ていると、宍道湖があって、しじみ漁師がいて、しじみを食べてくれる人がいるから、イトハラ水産の仕事が成り立つのと感謝の気持ちでいっぱいになります。だから、利益の一部は宍道湖に還元しています。葦の植樹や山林の植樹活動などに寄付し、きれいな水が宍道湖に流れ、しじみなどの魚介類が棲みやすい環境を作る手助けをしています。これから先も、宍道湖がしじみが育ちやすい環境であり続けることがいちばん大事。組合員のみなさんには、とにかく宍道湖のしじみを食べてもらいたい、おいしいことを知ってもらいたい。宍道湖が育て、漁師が獲ったしじみをイトハラ水産が届けます。良いしじみしか出さない、それが漁師のプライドイトハラ水産 糸原さんしじみ漁の未来のために、取り扱い量を限定届いて欲しい!宍道湖愛&しじみ愛 しじみ漁師野津さん    島根県にある宍道湖は、日本一のしじみ漁獲量を誇る湖。産直商品「しじみ屋さんの冷凍しじみ」を提供するイトハラ水産の糸原さんに、おいしいしじみを獲り続けるための取り組みやあふれる宍道湖愛など獲り続けるための取り組みやあふれる宍道湖愛などしじみへの思いを聞きました。野津さんたちしじみ漁師が朝獲ったしじみは、漁師の名前と番号が書かれた札をつけた状態で昼過ぎにイトハラ水産に到着。誰が獲ったしじみかわかる仕組みを取り入れているのはイトハラ水産ならでは。「納めたものを評価してくれるから、良いしじみだけを届けたい」と野津さん。宍道湖のしじみ漁師約280人のうち、イトハラ水産では思いをともにするしじみ漁師約50人と取り引き。そのうちのひとり野津さんは、糸原さんが絶大の信頼を寄せる存在。「漁師の仕事はおいしいしじみを届けること。糸原さんも私も宍道湖のしじみの良さを知ってもらうことだけを考えています」。

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