機関誌いずみ 2012年9月号 特集
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大阪と福島、意外なご縁はしゃぎながらたこ焼きを焼く子どもたち、その様子を目を細めて見守るお父さんやお母さん。たこ焼き体験交流は、放射能汚染の不安を抱えながらくらすご家族に、ひとときの安らぎと楽しさをもたらしたようです。放射能の影響が心配される地機関誌いずみでは、2011年6月号で「震災の備え」と題した特集を組みました。特集を読んだ多くの方々からは「震災の備えをきちんとしようと思った」という感想をいただきましたが、あの特集から1年、震災の備えは本当に進んでいるのかどうか、改めてモニターアンケートを行ってみました。その結果、「震災の備えをしてい    5   4る」と回答したのは、全体の46.揺れを自分で判断せず、自治体の屋外放送などに従って避難を。沿岸部に住む人は、揺れの種類にかかわらず高台へ避難を。災害伝言ダイヤル「171」で家族の安否確認を。交通機関がストップしている場合は、無理して帰宅せず、近くの避難所へ。水や食料などの支援物資が届き始めますので、食べる心配はひとまずなくなります。震災直後から3日間食べつなげるだけの備蓄を、日ごろからしておきましょう。自分は避難所に行くほどでもない、あるいは、行けば迷惑がかかると思い、車中で過ごす人がいますが、かえって健康的によくありません。避難所では医療の準備もされていますので、特に健康面で不安を抱えている人は、周囲のためにも避難所へ。救援物資は、避難所に集まってきます。また、さまざまな情報も避難所に集まりますので、自宅に戻った人も、1日に1回は避難所に足を運びましょう。この時期になると、お風呂に入りたくなったり、おむつ、下着、食器などの生活用品がほしくなったりします。「お風呂ならうちのが使える」「お皿はたくさんあるから使って」など、ご近所同士で助け合えば、足りないものをお互いに補い合えます。Takoyaki □カセットコンロとガスボンベは、ときどき使用して点検を。□家族が3日間食べていける程度の水と食料を備蓄。□風呂の水は翌朝まで抜かない。(小さな子どもがいる家庭では浴室にロックをかけるなど事故予防を万全に)□石油ストーブがあれば捨てずに取っておく。(暖をとりながら煮炊きできる)□防災グッズをそろえておく。□寝室に倒れやすい家具を置かない。あるいは家具を固定する。懐中電灯、ラジオ、タオル、マスイレ、非常食、ティッシュ、履きク、軍手、レインウエア、携帯トやすい靴、予備電池、自分や家族の身元や連絡先を記した書類、その他ないと困るもの(常備薬、メガネ、補聴器、入れ歯など)ラップ(お皿に敷けば洗い物が出ない)、レジ袋(ゴミ入れ、物の持ち運びなど万能に使える)、野菜ジュース(便秘対策)哺乳ビン(被災地では子どもにない)、離乳食は多めに(被災者合ったものがなかなか手に入ら用の食事は大人向けのため)域に住む子どもたちは、ふだんは思い切り外で走り回ることができませんが、この日だけは自由に全力疾走。たこ焼き体験を終え、戸外に出て遊ぶお子さんの姿に、親御さんたちは「久しぶりにほっとした」とつぶやいていました。6%。半数以上の人が、まだ備えを行っていませんでした。東北で起こった地震は、決して人ごとではありません。いますぐ関西地方で起こっても不思議はないのです。自分と、そして大切な人を守るために、震災の備えを、もう一度見直してみましょう。もう一度、おさらいを震災が起こったら・・・机やテーブルの下に入って、自分や家族の身を守る電気、水道、ガスがストップし、電話が通じなくなる可能性も避難所開設。各地から支援物資が到着避難所に行くことを遠慮しない1日に1度は避難所へご近所で助け合う自分の命は自分で守る。やっておきたい防災の備え[最低限そろえておきたいもの][あると役立つもの][小さな子どもがいる場合]ぷち知識ボランティアの感想たこ焼きの生みの親が、福島県の人だったことをご存知ですか?1933年、福島県出身の遠藤留吉さんが、たこ焼きの原型である「ラヂオ焼き(こんにゃく入り)」を大阪で考案したのがきっかけ。中身がタコになったのは、それから2年後のことだったといいます。specialspecial考えていないissueissueその他11.2%阪神・淡路大震災後32.4%特に30.1%東日本大震災後20.9%東日本大震災の1年後5.3%震災1週間後震災1週ライフラインの復旧期間電気、水、ガスの順番に復旧していきます。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■しようと思っている31.1%している46.6%していない震災3日後 電 気1日〜1週間22.3%交流の中でもらしてくれた、お母さんたちの“本音”いつから準備をしようと考えましたか?いつから準備をしよ震災への備えをしていますか?震災直後 水 道10〜40日 ガ ス2〜3ヶ月■■■■■■■■■■■■■■■■■たこ焼きボランティア参加者機関誌モニター 原発事故のことはいろいろ勉強していましたが、福島県を訪れるのは初めて。現地に着いたとき、辺りの風景を見て「だいぶ整備がすすんでいるな」という印象を受けました。 たこ焼き体験に参加されたご家族は、放射能汚染の不安が残る地域に、いまもお住まいの方々です。いわき市に住むあるご家族は「いわき市はいいところ、とても住みやすい」とおっしゃっていました。 たこ焼き体験は、とても楽しいものでした。お子さんも親御さんも、みなさん笑っていましたが、そのあとに開かれた夕食交流会で、お母さんたちの本音を聞くことができました。 「いまのお気持ちを、一言ずつ」。そう言われて口を開いたあるお母さんは、新築の家を建てたばかりで震災に遭い、その家でくらせない上、ちゃんとした保障がされるかわからず不安な毎日を送っている実情を、涙ながらに話してくれました。たこ焼き体験では見せなかった姿が、そこにありました。 お母さんたちは、「子どもの未来が心配」と口々に言います。表面上は笑っているけど、本当は、張り裂けそうな思いで、胸がいっぱいなのだと思います。そんなお母さんたちの気持ちに、寄り添いたいと思いました。高木愛子さん震災の備え、していますか?大盛り上がり!たこ焼きボランティア交流アアアアアアアアア交流流交交交交交交交流流流流流流流流特集

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