昔の機関誌いずみ(1977年5月号) 「昔は、添加物の生協独自の厳しい基準があったので、安心して利用できたのに」という声をいただくことがあります。情報はアップデートが必要です。第107回62023年度版の「食の安全 基本のお話」パンフレットが完成しました。いずみ市民生協の食の安全に関する情報を掲載したパンフレットです。いずみ市民生協のホームページに公開されています。ぜひご覧ください。■昔の生協の基準 「よくわからないものは、できるだけ避けよう」 いずみ市民生協が創設された1970年代、大量生産とともに多くの食品添加物が使われるようになり、安全性の問題で使用禁止になる添加物もありました。戦後の急速な食生活の変化に、法律や基準、行政が追い付いていなかった時代です。 当時、国やメーカーの情報提供が不充分な上に、科学的知識も得にくかった中では、取らざるを得なかった考え方(基準)です。■生協や消費者団体による情報提供と より厳しい基準を国に求めた行動 その一方で、食品添加物の規制や食品衛生法の改正、消費者の立場に立った食品安全行政の実現を求めてきました。その取り組みが実り、2003年に食品安全基本法が制定され、食品安全行政が大きく転換しました。■食の安全を守る社会のしくみ 食品安全基本法が制定され、食品のリスクを評価し、管理する社会のためのしくみ「食品安全行政」が整備され、食品添加物などの基準も「国民の健康の保護が最も重要」との視点で作られるようになりました。 専門家による第三者委員会「食品安全委員会」で科学的に評価がされ、世の中に公開して広く意見を聞いた上で、基準が作られるようになりました。今は、添加物ごとの詳しい評価も公開されています。■国の基準は改善・補強 食品衛生法や農薬取締法の基準は、食品公害からBSE問題、毒物混入や食品偽装事件、原発事故などの食の安全を脅かしかねない出来事や遺伝子組み換え、ゲノム編集などの新しい技術に対応し、改善・補強されてきています。■各国の食品安全行政 食品安全行政は、世界各国で実行されており、各国が情報公開しています。どの国も、他国のリスク評価や管理を把握しながら、食品安全行政をすすめています。食の安全「基本のお話」食品添加物の「昔の厳しい基準」って?
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