機関誌いずみ 2023年5月号
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POINT2 不動産は、現金などの金融資産とは違い、すぐに換金できず、分割方法が難しく、トラブルになるケースが少なくありません。自宅を残すのか、処分するのかは生前に様々なリスクを考慮し、家族と話し合うことが大事です。トラブルを最小限にする手段としては、「遺言書作成」「生前贈与」「生前売却」などが挙げられます。 口座名義人が亡くなったと銀行に通知した時点で銀行口座は凍結され、簡単に預貯金を引き出すことはできません。遺されたご家族が当面の生活資金が引き出せなくなり、遺族が困る場合もあります。 相続人が売却を望んでも、一旦は相続人に「名義変更」をしなければなりません。また、有価証券の相続は提出書類も複雑で名義変更手続き完了までの時間は、銀行の解約手続きよりも多くの時間が必要です。可能であれば生前に売却し、現金化しておくのも一つの方法です。 加入保険の内容が現在の状況に合っているかを見直しましょう。加入していない人は、今後の病気やケガ、介護にかかる費用や葬儀費用を備える意味で、保険加入の検討をおすすめします。これらの情報も「遺言書」や「エンディングノート」に記載しておきましょう。※相続手続支援センターパンフレット参照 昔の日本では、葬儀をはじめ死後の対応などは、親族や隣近所の方が分担して行ってきました。しかし、今では親族間の行き来が減り、地元を離れて就職することも多く、地域コミュニティ自体が気薄になってきました。また医療の進歩に伴い、平均寿命が伸びていることで、それぞれの老後への不安感が増してきたことも「終活」が注目される要因となっています。遺言書の有無の確認(自宅・貸金庫・法務局・公証役場)相続人・相続財産の調査(市町村役場など)遺産分割協議書の作成「死亡届」・「死体火葬許可申請書」の提出(市町村役場:7日以内)「世帯主変更届」の提出(住所地の市町村役場:14日以内)①国民健康保険証の返却(住所地の市町村役場:14日以内)②健康保険証の返却(勤務先:14日以内)後期高齢者医療被保険者証・介護保険証の返却(住所地の市町村役場:14日以内)自動車等の名義変更(地方運輸支局など:15日以内)電気、ガス、水道等の名義変更・解約預貯金口座の解約住宅ローンの確認(銀行など:3年以内)所得税の準確定申告(税務署:4か月以内)相続税の申告(税務署:10か月以内)相続放棄の申立(家庭裁判所:3か月以内)今月の特集3葬儀後の手続きチェックリスト(一部抜粋)遺言書・相続等に関する 手続き役所関係 の手続き日常 の手続き金融機関 の手続き登記関係 の手続き相続登記(法務局:不動産の名義変更)建物表題登記(法務局)税務関係 の手続き裁判所関係 の手続き 物の断捨離や片付けも気にかかるところですが、まずは財産整理が必要です。財産整理には大きく分けて「不動産」「預貯金」「有価証券」「生命保険」の4項目があります。それぞれを具体的に把握していきましょう。不動産預貯金有価証券生命保険財産整理をしっかりしておく!

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