機関誌いずみ 2023年8月号
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リヴィウ州のリハビリテーションセンターで支援調査にあたる日本赤十字社の理学療法士 ©日本赤十字社崩壊したビルの現場で救護活動にあたるシリア赤新月社のスタッフ ©SARC  2022年2月24日以降、ウクライナ各地で戦闘が激化。子どもを含む死傷者が多数報告され、極めて深刻な人道危機が起こっています。高校時代に黒柳徹子さんの著書「トットちゃんとトットちゃんたち」に出会い、世界の子どもたちの現状を知り、大学ではNGO活動なども行い国際救援にかかわる仕事をめざす。卒業後、一般企業を経て日本赤十字社に入社、現在に至る。 2023年2月6日、トルコ南東部のシリアとの国境付近で発生した地震により、トルコ、シリア両国合わせて6万人以上が犠牲となる甚大な被害を受けました。オランダベルギードイツチェコ共和国オーストリアスロベニアフランススイスイタリアボスニア・ヘルツェゴビナ 2010年に中東各国で起こった民主化運動(アラブの春)から内戦へと発展。レバノンやトルコ、ヨルダンなど周辺国へ逃れた難民や、国内避難民を多く生み出し、シリアの人たちの厳しい状況は現在も続いています。ベラルーシポーランドスロバキアハンガリークロアチアルーマニアセルビアブルガリアモンテネグロアルマケドニア共和国バニアギリシャモルドバロシア連邦ウクライナ黒海トルコ河合さんプロフィールひっ ぱく今月の特集3 赤十字では、人々の苦痛を少しでも和らげるため、食料や水、住居、保健医療、こころのケアなど、世界各地で必要な支援を届ける事業などを継続的に行っています。ウクライナ人道支援トルコ・シリア地震救援活動中東の人道支援紛争地の現状、支援活動について教えてください「2022年の3月〜7月の4か月間、ウクライナの隣国、モルドバに支援活動に行っていました。モルドバは直接の紛争地ではないので、大きな被害は受けてはいません。ただウクライナから多くの人が周辺国に避難し、モルドバにも約10万人が避難していました。驚いたのが、避難民の95%は避難所ではなく、モルドバの一般の家庭に身を寄せていたことです。そのため、私たち赤十字が支援するのは、ウクライナからの10万人の避難民と、避難民を支援しているモルドバのホストコミュニティの人たちです。」ウクライナ人道支援に行って〜隣国モルドバでの救援活動〜逼迫する国際情勢と赤十字社の活動

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