機関誌いずみ 2024年1月号
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子どもたちの学習とアートの時間のようすTOMATO靴でいっぱいの玄関先(いつもはもっと   いっぱいだとか)代表の田中ルジアみやさんサポーター登録の詳細はこちらから10とまとちゃん福祉基金組合員サポーター随時募集子どもたちのサポートを目的とした地域での活動が広がり、継続できるよう支援します。毎月一口100円からサポートできます。プロジェクト・コンストルイル・アルテルProjeto Construir ARTEL地域:堺市堺区自分の気持ちを楽にできる居場所に そのような状況の人たちが、この居場所にやってくると、楽しかったことや悲しかったことなど近況を交流しあう時間があり、いろいろな気持ちを吐き出すことができます。そして一緒に食事をし、宿題や勉強、アートの時間が自分の気持ちを表現する大切なひとときになるのです。 代表の田中ルジアみやさんは「コロナ禍で会えないときもオンラインで学び、交流できる多くの教材や備品を購入することができて、心をつなぎとめることができた」と、とまとちゃん福祉基金に感謝。 金・土曜日の週末に居場所として提供している自宅の玄関先は、今日も靴でいっぱい。「娘の部屋以外は、みんなのために使っています」と、アート中の子どもたちを笑顔で見守ります。そんなご本人もブラジルにルーツをもつ日系二世。「悩みを抱えながら暮らす人たちに、少しでも心の支えになりたい」と語ります。ブラジルにルーツを持つ人たちのブラジルにルーツを持つ人たちの居場所づくり居場所づくり今回紹介する団体は「Projeto Construir ARTEL」です。難しい名前ですが、ポルトガル語でConstruir(コンストルイル)は「みんなでつくる」、ARTEL(アルテル)は「アート」と「リテラシー」を意味するそうです。未来へつなごう!とまとちゃん福祉基金言葉の違いは、まず初めの大きな壁 近年、地域ではさまざまな国籍の人たちが増えています。 今回訪問したのは、ブラジルにルーツを持つ子どもと大人の居場所です。団体名は、子どもたちが絵や読み書きで、自分の気持ちを表現できる力を持てるようにと名づけました。 活動のスタートは、いまから15年前。さまざまな事情で日本にきた人たちが、まずぶつかったのが言葉の壁。中には日本語を上手に話せる人もいますが、言葉が通じなくて、友だちができず、だれともしゃべらない日が何日も続く……。それは大人も子どもも同じです。 昨年、二人の子どもを連れて妻と日本に来た男性は、「はじめは日本の珍しさに圧倒されて時が過ぎたが、言葉も習慣も違う異国で、すぐにストレスが日常にのしかかってきた」と、ため息を漏らします。 たとえば、日本人と結婚した家庭では、子どもの見た目は外国人だけど日本語しか話せない。逆に、見た目は日本人だけど日本語が話せない。こうした違いが日本の子どもたちとの距離を作り、ストレスがたまり、勉強についていけなくなるという負の連鎖に陥るのです。

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