子育て相談 コーナー第4回第4回〜〜思春期の子どもとの向き合い方が難しく悩んでいる、小学5年生の男の子と6年生の女の子の母親です。夫がいる時といない時の態度が違いすぎて落ち込みます。私の言うことには反抗するけど、夫が言うと素直に聞きます。それにイライラしてしまって私の言い方も強くなってしまい、悪循環になり、どうすればいいのかわかりません。 小学5、6年生というと、親よりも友達と過ごす時間が増え、家庭以外の世界が広がり、それぞれの主張が出てくる時期ですね。父親の前と母親だけのときでは子どもの態度が違うということにお悩みのようですが、母親に対してだけ反抗的な態度を取るというのは、ある意味、母親の前では素の自分を出すことができて、それを受け止めてもらえる、どんな自分を出しても嫌われることはないという安心感があるからではないでしょうか。 思春期の課題は「アイデンティティーの確立」と言われます。これは自分とは何か、この世に唯一無二の存在としての私とは何かを見出すことです。そのために子どもは親から独り立ちすることを始めます。その第一歩が親への反抗なのです。「親に干渉されたくない。自分でやれる」と子どもたちは反発しますが、思春期を乗り切るには、親が子どもと一緒になって揺れるのではなく、しっかりした支えとなる必要があります。 生意気な口を利いたかと思ったら、急にベタベタ甘えたりして、親としてはどうすればいいわからなくなることも多いと思います。そんなときこそ、親子が理解し合うチャンスです。お互いよく話し合うことで、子どもは悩み、葛藤しながらも折り合いをつける練習をしていきます。この時期は、一緒に食事をしたり、TVや映画を観る、ゲームをする、散歩をするなど、非言語のコミュニケーションに重きを置いてみるのも子どもたちの安心につながるのではないでしょうか。親は子どもの成長に合わせて、意見を取り入れつつ柔軟に対応できるようになれるといいですね。 イライラしてしまって言い方がきつくなり悪循環になっているということですが、悪循環を断ち切るには、まずはご自身が気持ちに余裕をもって子どもに接することです。イラっとしたらまずは深呼吸してみる、その場を離れるなど、気持ちを落ち着け、冷静な状態で話すようにしてみてください。今、子どもたちは大人になるための大きな仕事をしているのだと思って、上手に距離を保ちながら見守ることが何より大切になります。しっかり反抗できた子どもは、それだけ大きく羽ばたけると信じて、この思春期の嵐を乗り越えていきましょう。臨床心理士、公認心理師、大阪市こども相談センター カウンセラーFLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク理事※お寄せいただいた投稿は、文字数の関係で文章を一部割愛、編集させていただいております。次回は9月号にて掲載予定です。お答えいただいたのは…フェリアン 下地 久美子さん3月号で募集した組合員の子育てについての悩みや相談から、専門家にお話を伺いました。5回に分けて掲載いたします。8組合員からの投稿●子どもの成長に合わせて、意見を取り入れつつ子どもの成長に合わせて、意見を取り入れつつ柔軟に対応することが大切です!柔軟に対応することが大切です!思春期の子どもとの向き合い方思春期の子どもとの向き合い方〜〜
元のページ ../index.html#8