機関誌いずみ 2024年12月号
10/16

子育て相談 コーナー第7回第7回〜〜10高校生、中学生の子どもがいます。日々の生活の中で子どものSOSは、どうやって気づいてあげたらいいでしょうか?子どもによって、男女によって違うかもしれませんが、どんなとき注意すべきか?とか、どんなことに気をつけてあげるべきなのか?などアドバイスをお願いします。 小学生ぐらいまでは親に何でも話してくれていたのが、中高生になると、「学校どうだった?」と聞いても、「普通」とか「別に」という返事しか返ってこなくなるのではないでしょうか。情報がないからこそ、親は学校でいじめられていないか、嫌なことはないか、つらい思いをしていないかと心配になるのも無理のないことと思います。 思春期の子どものSOSとしてあげられるのは、身体の反応だと、腹痛、下痢などの胃腸症状、頭痛や吐き気、微熱が続く、寝つきが悪い、朝起きられない、疲れが取れないなどです。また、心理的な反応としては、笑顔がなくなる、表情が暗くなる、ぼーっとしている、不安感が高まる、イライラして怒りっぽくなる、よく泣く、勉強などに集中できなくなる、好きなことをしなくなる、学校や習い事を休みたがるなどがあります。他にも、チックや抜毛、爪噛み、リストカット、拒食や過食、口数が減る、友達と遊ばなくなるという場合もあります。 なんとなくいつもと様子がちがうと感じたら、「何かあった?」とそれとなく尋ねてみましょう。親としては気になって何があったか聞き出したくなると思いますが、「いつでも聞くから、話したくなったら話してね」と無理やり聞き出そうとはしない姿勢が大事です。 子どもが悩んでいることを打ち明けてくれたら、口を挟まずに静かに聞きましょう。話を聞くと、「もっとこうしたら?」とか「代わりに言ってあげようか?」と気持ちが抑えられなくなることもあるでしょうが、ここはぐっと我慢です。 子どもが話してくれたことを「話してくれてありがとう」と受け止め、「あなたはどうしたいと思っているの?」と気持ちを聞いてあげてください。子どもが思っていることが、親の思いと違っていても、思いが実現する方法を一緒に考えるという姿勢が大切です。 ただし、深刻ないじめに遭っていたり、犯罪に巻き込まれそうになっているなど、危険が迫っている場合は早めに学校や警察に相談する必要があります。そういうときでも、子どもの気持ちを確認しながらすすめましょう。親が子どもの気持ちを無視して先走ってしまうのが最もよくないやり方です。子どもの力を信じて、親は一歩下がって、冷静な判断ができるようにしたいものですね。臨床心理士、公認心理師、大阪市こども相談センター カウンセラーFLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク理事※お寄せいただいた投稿は、文字数の関係で文章を一部割愛、編集させていただいております。次回は3月号にて掲載予定です。お答えいただいたのは…フェリアン 下地 久美子さん3月号で募集した組合員の子育てについての悩みや相談から、専門家にお話を伺いました。組合員からの投稿●一歩下がって冷静に 子どもの気持ちや思いが一歩下がって冷静に 子どもの気持ちや思いが実現する方法を一緒に考えましょう!実現する方法を一緒に考えましょう!子どものSOS子どものSOS〜〜

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る