2※「相対的貧困」とは、経済的な困窮を要因とした衣食住の余裕のなさに加えて “経験や体験の機会が乏しいこと”を言い、「絶対的貧困」とは毎日の衣食住に事欠く状態のことをいう。現在、日本では7人に1人の子どもが相対的貧困状態(※)にあるともいわれ、その解決の試みとして「子ども食堂」の存在もここ数年、大きくクローズアップされてきました。所さん「子どもの貧困」が社会問題として取り上げられています。今回は、大阪・堺市で子ども食堂の支援を担当されている堺市社会福祉協議会の所さんにお話を伺いました。社会福祉法人堺市社会福祉協議会事務局次長 兼 地域福祉課長とまとちゃん福祉基金委員会 委員所 正文さん 私は3つの貧困問題が重なることで、「子どもの貧困」が生じると思っています。1つ目は経済的貧困、2つ目は関係性の貧困です。経済的に困窮すると栄養バランスのよい食事が摂りにくいだけでなく、収入を上げるために親が長時間働かないといけなくなります。そうすると子どもだけで留守番する時間が長くなり、親と接する機会が減少します。また、昔は自治会や子ども会などの地域の活動が盛んで、親以外の大人と交流する機会も多々ありましたが、今はそのような機会も少なく、関係性の貧困が生じてしまいます。 そして3つ目は体験の貧困。ある程度の所得がある家庭であれば、塾をはじめいろいろな習い事や旅行なども経験ができます。昔は親が忙しい子どもも、子ども会などでのそうめん流しやお正月は餅つきなどの季節の行事を経験して成長していきましたが、今はその機会がかなり減っています。今月の特集「子どもの貧困」について「子どもの貧困」について具体的に教えてください。具体的に教えてください。〜未来を担う子どもたちのために〜今、子どもたちのためにできることは?
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