機関誌いずみ 2024年12月号
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6第127回 食の安全のために、消費者である私たちが心がけなければならないのは、「食中毒の予防」と「多様な食品からなる、バランスのとれた食生活」と言われています。なぜ、「バランスのとれた食生活」が栄養面・健康面だけでなく、安全のために大切なのか、考えてみましょう。 食品添加物や残留農薬など意図的に使われているものはコントロールされていますが、それ以外のほとんどの物質は、長期の影響についてわかっていません。 平均寿命が80歳を超える時代です。「昔から食べてきた」とはいえ、今後、影響が新たにわかる可能性があります。 食品は、食べてもすぐに健康に有害影響が出るわけではありません。ただし、同じ食品ばかりを食べ続けることで、リスクが高まる可能性があります。 「バランスのとれた食生活」で、様々な食品・食材を食べることを心がけましょう。※今年度、食の安全に関する基礎知識を学ぶ市民連続講座「食の安全 情報アップデート」を開催しています。この記事は、連続講座で得た情報も参考にしています。1.私たちは、生きるための栄養やエネルギーを得るために「食品」を食べます。2.「食品」には、有害な物質や未知の物質が含まれている可能性があります。  【食品を構成する物質】  栄養成分   ・炭水化物  ・脂質  ・タンパク質  ・ビタミン類  ・ミネラル類等  その他の物質   ・味や香りなどにかかわる物質  ・健康効果を持つかもしれない成分   ・毒性物質  ・発がん性物質  ・一部の人に影響があるアレルゲン   【付着物質】 ・病原性微生物  ・カビが生み出す毒性物質  ・汚染物質  【製造・調理の工程でできる物質】 ・発がん性物質など  【意図的に使われる物質】 ・食品添加物  ・残留農薬3.私たちは経験上、食べてもすぐに明確な有害影響がないことがわかっている物を「食品」として食べています。4.バランスのとれた食生活でリスク分散食の安全の観点から考える  「食品」食の安全「基本のお話」

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