大小大6健康への影響第129回無毒性量実際の摂取量ADIの100分の1ADIヒトのADIは動物の無毒性量の100分の1摂取量致死量1.私たちの体や食品は、糖質・たんぱく質など様々な化学物質からできています 化学物質とは、それ以上簡単には分解できない「元素」や元素の集合体「化合物」のことを指します。「物質」と言い換えても差し支えのない言葉です。 ●化学物質には、もともと自然にあるものも、人間が合成したものもあります。 例えば、果物に含まれるビタミンCも食品添加物のビタミンCも同じ物質(L-アスコルビン酸)です。2.化学物質の量と体への影響 「すべてのものは毒である。そしてその毒性は量で決まる」 毒性学者パラケルサスの有名な言葉です。 食品を食べることで人の体内に入った化学物質は、体の働きにより分解されたり、尿と一緒に外に出たりし、大半は体内にたまり続けることはありません。しかし、摂る量が一定量を超えると体に影響が現れます。例えば、体に欠かせない塩分も、摂りすぎると体に負担がかかることは、よく知られています。 どのくらいの量なら体に影響を与えないか、その量は化学物質ごとに異なります。3.食品添加物や農薬には一日摂取許容量(ADI)が設定されています 一日摂取許容量(ADI)とは、人が一生にわたって毎日食べ続けても、健康上の問題が生じない量のことをいいます。4.実際の摂取量も調べられています 厚生労働省により、実際に摂取されている食品添加物や農薬、動物用医薬品の量を調べ、基準値よりも低い値になっていることを確認されています。★マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量調査 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/sesshu/★食品中の残留農薬等の摂取量調査 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/zanryu/index.html ある化学物質のADIを決めるためには、動物実験で、まったく影響が出なかった量「無毒性量」を見つけます。 人間よりも寿命が短いラットやマウスを使い、食べてすぐの影響だけでなく、生涯にわたっての影響や発がん性、子孫への影響まで調べます。 動物と人間との違いや個人差(男女・年齢など)を考慮し、無毒性量に安全係数(通常1/100)をかけた値をADIとみなします。食品中の化学物質のリスク食の安全「基本のお話」
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