誰もが通る「思春期」ですが、親目線から見るとどうしても「難しい年頃」というイメージがあり、どう接すればいいのかと頭を抱える時期でもあります。今回はそんな思春期の子どもへの接し方やかかわり方、性の問題について、フェリアンの澤樹さんにお話を伺いました。 幼い頃からできるのは、子どもが「親から愛されている」と実感できるかかわり方をすることです。なかでも重要なのは、抱きしめるなどのスキンシップ、そして、子どもの話をしっかりと聴くことだと思います。こうしたかかわりを積み重ねていくことで、子どもは自分の存在の大切さを実感でき、自然と自己肯定感も育ちます。 思春期の子どもの親への反抗的な態度は、子どもが自立に向かっている証。そういった意味で、反抗期は子どものこころの成長にとって大切なプロセスと言えますが、最近は思春期に目立った反抗が見られない子どもも増えており、反抗期のあるなしによる良し悪しは特にはありません。ただし、反抗期がない子の中には、表には出していないけれど、実は鬱屈した感情を1人で孤独に抱えている子もいます。普段と様子が違う、元気がないな、などの異変を感じたらさりげなく声をかけてあげましょう。いつも見守ってくれている存在がいることは、子どもにとって大きな安心感につながります。澤樹さん澤樹さん2 思春期は子どもから大人への移行期間。個人差はありますが、大体10〜18歳頃の時期を指します。こころとからだの両面で劇的な変化が起こるため、思春期の子どもたちのこころはとても傷つきやすく不安定。これまで通りにはいかない不安や戸惑いから、まるである種の迷宮に入り込んでしまったかのように子も親も感じるかもしれません。しかし、思春期は個人がアイデンティティ※を確立するためにある、大事な成長過程なのです。※アイデンティティ:自分が自分であること、そして自分が、他者や社会から認められているという感覚を指します。フェリアン 澤樹 亜実さん臨床心理士、公認心理師フェリアンでのカウンセリングのほか、これまで様々な学校現場で子ども・保護者・教職員に対する心理臨床活動を行う。今月の特集まず、思春期を迎えるまでの親としての心の持ち方、接し方について教えてください。思春期の子どもの親への反抗(反抗期)は、ないよりあった方がいいと聞きますが、本当でしょうか?思春期っていつ頃?何のためにある?澤樹さんにお話をお聞きしました!思春期の子どもとどう接する?
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