【桒原聡太】私たち高校生沖縄特派員は、9月21日から23日の3日間、沖縄の現状、米軍基地や沖縄戦に対する沖縄の人たちの思いを取材した。1日目、米軍嘉手納基地を望む道の駅かでなとチビチリガマへ行った。嘉手納ではそこで暮らす人々の思いを、ガマでは遺族会会長の案内で中に入った。当時のまま残っている内部を見ながら、今では想像もつかない悲惨な最期の様子を聞き、言葉を失った。2日目、米軍辺野古基1 地建設の埋め立てが行われている大浦湾でグラスボートに乗る予定だったが、波が荒くて中止となり、砂浜や公民館で話を聞いた。ここでは、基地建設によって、海底の泥が舞い上がって海の生態系が破壊されていること、基地建設への反対の声を 上げる意味を考えた。その後、嘉数高台公園から米軍普天間飛行場を見て、沖縄戦を体験した島袋由美子さんの話を聞いた。「あの戦争では、敵はアメリカ兵だけでなく、自分を攻撃してくる者、つまり自分を守ってくれるはずの日本兵もそうだったのです」との言葉が心に残った。3日目、沖縄県平和祈念資料館に行き、平和の礎に込められた沖縄の人々の思いを感じた。沖縄の民間人、日本兵、米兵だけでなく、戦死した名前もわからない韓国の人たちもいたことを知り、悲しみだけでなく、戦争に対する腹立たしさも感じた。3日間、多くの人から話を聞き、戦争のもたらす悲劇や戦場となった地に住む人々の思いに向き合うことができた。沖縄戦から80年がたとうとしている現在、ロシア・ウクライナ、ガザ地区をはじめ世界中で戦争が起き、兵士だけでなく多くの民間人が毎日のように命を落としている。今回の取材で、次世代を担う私たちはどうすれば平和を実現することができるのかということを考えさせられた。左から桒原 聡太さん(1年)髙橋 康太さん(2年)安宅 優那さん(2年)舟塲 琴美さん(2年)島 明香里さん(1年)田中 志奈さん(1年)小山 来実さん(2年) 「高校生“沖縄特派員”新聞」の取材・編集には毎日新聞が協力しました高校生特派員高校生特派員が行く!が行く!沖縄が平紡いでいく和
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