食の安全学習パンフ2021年
21/28

 細胞には、DNAという遺伝物質が含まれています。 DNAは、4種類の塩基が連なったらせん構造になっています。 この塩基の並び方により生物の形や性質の違いが決まります。 ゲノムとは、DNA全体を指します。 自然界では、放射線などによりDNAが切断されることがあります。生物は修復機能を持っていますが、正しく修復されずに、塩基の欠損や置換えといった突然変異が起こる事があります。 農作物は、自然発生または人為的(薬剤や放射線利用)に誘発した突然変異を利用し、それらをかけ合せることで品種改良が進められてきました。 従来の品種改良では、多くの意図しない変異(オフターゲット)が起こりますが、都合の悪い性質は育種過程(継代・選抜)で除かれ、優れた性質を持つ品種となります。 ゲノム編集技術でも、意図しない変異が起こる(極めて低い)可能性がありますが、従来の品種改良と同じように育種過程を経る事で、都合の悪い変異を取り除くことができます。 ゲノム編集技術は、酵素を使い、遺伝子のDNA配列を目印にして結合し、そこで切断します。 2012年に、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)という簡便で精度が高い手法が開発され、様々な分野で応用されています。 この技術を用いて得られた食品がゲノム編集技術応用食品です。193.農産物が作られてきた長い歴史2.自然の突然変異3.突然変異を利用した品種改良4.育種過程でのふるい5.ゲノム編集技術は、狙った遺伝子を効率よく変えることのできる技術です。古代1~2万年前 イネ栽培自然界からの有用種(突然変異)の選択近世1865年メンデルの法則(放射線・化学物質の使用)人為的な突然変異有用種どうしの交配数十年前1996年遺伝子組換大豆ゲノム編集技術遺伝子組換え現在将来ゲノム編集食品と遺伝子組換え食品1.ゲノムとは「遺伝情報全て」という意味です。

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る