これまで食べたことのない新たなたんぱく質を体が異物として判断して、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。アレルギー誘発に関して、少しでも疑問が残れば、その組換え作物は実用化されません。ないと考えられています。①たんぱく質やDNAは、口に入ってから消化酵素によって分解され、小腸で吸収されます。②家畜の飼料も同じで、家畜の体内にそのまま吸収されることはありません。 食べものの安全性は研究が著しくすすんでいますが、環境や生態系への影響の研究はまだ十分にすすんでいません。栽培に関しては、慎重にすすめる必要があると考えます。 遺伝子組換え技術は、比較的新しい技術です。懸念や期待、さまざまな意見があります。遺伝子組換え農産物が一部の多国籍企業に独占されるのではないか、発展途上国を経済的に圧迫するのではないかとの心配や倫理的に許せないという考えもあります。一方、農家の高齢化や東日本大震災の被災地の復興、健康に有用な新たな作物など、遺伝子組換えに対する期待もあります。22(2)アレルギー誘発の可能性も厳しくチェックされます。(3)遺伝子組換えで新たにできたたんぱく質やDNAは人に対して、アレルギー以外の悪影響を及ぼすことは(4)遺伝子組換え食品による健康被害や子孫への影響の報告例はありません。(5)他の生物や環境に悪い影響を与えないか。(6)さまざまな意見があります。食品安全の評価ポイント遺伝子組換え食品の評価の必要条件は「食経験のある既存の食品と比較可能であること」です。①組み込む遺伝子は安全か。②組み込まれた遺伝子により作られるたんぱく質に有害性がないか。③アレルギーを起こさないか。④組み込まれた遺伝子が間接的に作用し、有害物質などを作る可能性はないか。⑤食品中の栄養素などが大きく変わらないか。①世界保健機構(WHO)の見解「国際市場で現在市販されている遺伝子組換え食品は、人の健康にかかわるリスクがあるとは思われない。遺伝子組換え食品が承認されている国々では、人の健康に及ぼす影響は確認されていない」②「害がないことを明らかにした査読付き科学研究」は650件に及んでいます。(2015年現在)③2005年ロシアでの「遺伝子組換え大豆でネズミの子どもの死亡率が上昇」とか、2012年フランスでの「遺伝子組換えトウモロコシでネズミのガンの発症率が上昇」という報告は、すでに公的機関によって否定されています。遺伝子組換え食品の安全性(1)食品安全委員会などで食品としての安全性が確認されたものしか流通できないようになっています。
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