機関誌いずみ2021年10月号特集ページ

〜情報を読み解く力の大切さ〜食の不安情報とのつき合い方

世の中にあふれる食の不安情報に、わたしたちはどう向き合えばいいのでしょう?
科学ジャーナリストの松永和紀さんをお招きして7月3日に開催された、食の安全YouTubeライブ「気になる食の不安情報 その正体」からヒントをいただきました。

松永 和紀さん

京都大学大学院農学研究科修士課程修了。
毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち、科学ジャーナリストとして活動開始。『メディア・バイアスーあやしい健康情報とニセ科学』(光文社新書)で科学ジャーナリスト賞受賞。現在、内閣府食品安全委員会委員などを務める。

食の安全YouTubeライブの概要

【ライブ配信】 7月3日(土)
※いずみ市民生協、コープしが、京都生協、ならコープ、わかやま市民生協の共同開催

【同時視聴者】 161人

【のべ視聴回数】 822回(7月31日(土)まで見逃し配信を実施)

松永さんには、グリホサートやネオニコチノイド系農薬を題材に、消費者が誤解・不安を抱く心理や誤情報が流れる背景、食のリスクの考え方、情報を読み解く力の重要性について、お話いただきました。松永さんのお話は、食品安全委員会の見解ではなく、ジャーナリストとしての経験や考察に基づくものでした。

氾濫する食の情報

わたしたちはテレビ番組や週刊誌、インターネットなどから、食に関する情報を得ることができます。しかし、その情報には、科学的根拠に乏しい不確かな情報も多く含まれています。

うわさや思い込みには要注意
情報に振り回されないために気をつけたいこと

信頼できる情報を得るためには、受け手であるわたしたちも情報を読み解く力を養う必要があります。今回は信頼できる情報を見つけるための心がけを紹介します。

情報の出どころを確認する

誰が、いつ、発信した情報なのか、確認しましょう。科学的な実験や調査の結果によって導き出された結論なのかどうかもチェックする必要があります。

口コミやうわさ、SNSの情報のみで判断しない

真偽がはっきりしない情報が出回っている可能性もあります。

単純・極端は警戒する

「○○さえ食べれば良い」といった単純な情報、「危険」「効く」など極端な情報に対しては、冷静な目を持ちましょう。

「量」に注目する

どんな食べものでも食べる量によって健康を損なうことがあります。不安情報は、摂取する量に触れられていないものがほとんどです。

全体を見る目を持つ

発信側に都合の良い内容を、一部だけ切り取っている場合があります。ひとつだけの情報を信じず、他の情報と比較してください。

自分で調べる

インターネットや人から得た情報を鵜呑みにせず、自分で信頼できる機関からの情報を集め、信頼できるものか判断しましょう。
たとえば、食品安全委員会のホームページを調べてみましょう。また、食に関する情報は常に更新されます。新しい情報を収集し、柔軟に判断していきましょう。

まずは、食品安全委員会や行政の情報をチェック!

食品安全基本法が施行される以前は、国や行政からの情報発信にも問題がありましたが、今は改善されています。
食の安全とその情報公開を求める消費者の声を背景に2003年、食品安全基本法が施行され、国による※リスクアナリシスのしくみが始まりました。そのしくみの根幹は、「情報公開」です。リスクアナリシスは世界各国で実行されており、各国が情報公開しています。どの国も、他国のリスク評価や管理を把握しながら、自国の食品安全行政をすすめています。
また、それらの情報は消費者も知ることができるようになっています。だれもが、各国の情報を突き合わせて検討できる時代です。
一国だけが情報隠しをしたり、特定の企業や業界のみに配慮したりするようなことは、非常に難しくなっています。

講演会後のライブ視聴者のアンケート

食の安全YouTubeライブには、添加物や残留農薬などに不安を抱いている方が多く参加されました。
視聴後のアンケートでは90%以上の方が「安心した」「少し安心した」と回答されました。

視聴者の感想より

ほどほどの量、適量なら食べても大丈夫なことと、自然や天然の中にも、毒があるということを、今日初めて知りました。今まで、本当のことを知らず、イメージで食べ物を摂取していたことに気づきました。

農薬登録を通過するためにいくつもの試験を受けた安全なものが使われているということを、今回の講演を聞いて初めて知り、農薬のイメージががらりと変わりました。

ジャーナリストとしての松永さんのお話を聞き、情報の信頼性を確認する癖をつけるのがいっそう大切と確信しました。情報の読み解き方も大変参考になりました。

人は、危険なことに対して敏感に反応し、その結果危険が増幅していくという話が印象的でした。

一度で理解することは難しいし、新しい情報や疑問が次々と出てきます。
継続してこのような機会を設けていただけることを希望します。

いずみ市民生協のとりくみ

食の安全に関するコミュニケーション

 いずみ市民生協は、提供するすべての商品の“生産から販売、その後の対応まで、「安全をお届けするために最大限の努力を行うこと」”を商品政策に掲げ、独自のリスク管理のしくみ「食品安全プログラム」を設けています。また、食品の安全供給に努めるとともに、安心のための「正直なコミュニケーション」に努めています。

ホームページ「食の安全のとりくみ」をリニューアルしました。いずみ市民生協の食の安全のとりくみの歴史、組合員の疑問に答える「食の安全Q&A」などさまざまな情報を公開しています。

開催予告 1
「食の安全 基本のお話」ミニ学習会のご案内

※Zoomミーテイングによるオンライン企画

【内容】
社会には食の安全に関する気になる情報が溢れています。4つのテーマで情報提供をさせていただき、意見交換を行います。

【1回目】
食品添加物のお話
11月3日(水)10: 00 ~11:00

【2回目】
食のリスク「ワースト3」のお話
11月3日(水)14:00 ~15:00

【3回目】
遺伝子組換え食品のお話
11月9日(火)10: 00 ~11:00

【4回目】
ゲノム編集食品のお話
11月9日(火)14:00 ~15:00

【募集人数】
各10人程度(10月号アピエで募集)

【参加費】
無料

開催予告 2
ウェブセミナー 食の安全学習会「食品添加物 あなたへのアドバイス」

【日時】
12月10日(金)13:00~15:00(11月号アピエで募集予定)
※会場参加とオンライン視聴が選べます。

【場所】
いずみ市民生協 堺東本部2F 生協ホール
住所:堺市堺区南花田口町2-2-15(南海高野線堺東駅より徒歩3分)

【内容】
科学ジャーナリストの松永和紀さんに、食品添加物を題材に、食の不安情報への向き合い方についてアドバイスをいただきます。

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