地震大国と言われる日本では、多くの地震が発生しています。さらに、豪雨による被害も毎年のように発生する事態になってきました。思いもよらぬ場所や状況での災害が相次ぎ、自然災害は私たちのくらしと隣合わせであることを痛感します。災害に備え、どのようなことを意識して日常生活を送ればよいのでしょうか?京都市市民防災センターでお話を伺いました。
明確な発生を予期できないのが地震です。
日本は世界有数の地震大国で、地震が全国各地で頻繁に起こっています。今後、南海トラフ巨大地震の発生が予想されています。
2016年4月 平成28年熊本地震(最大震度7)
2018年6月 大阪府北部地震(最大震度6弱)
2018年9月 平成30年北海道胆振東部地震(最大震度7)
2019年6月 山形県沖地震(最大震度6強)
2021年2月 福島県沖地震(最大震度6強)
平成28年熊本地震での被害
日本気象協会の発表では、2021年9月146回(18)、同10月118回(16)、同11月123回(15)の地震を観測しています。
※( )内の数字は震度3以上の地震観測回数です。
※2021年12月9日記事作成時点での情報です。
台風や豪雨が巨大化し、家屋浸水や土砂流入による家屋倒壊など甚大な被害が相次いでいます。しかし、風水害は事前に災害発生をある程度予測できるものです。避難指示が発出されたら、躊躇せずに避難しましょう。
2018年7月 平成30年7月豪雨(西日本)
2019年10月 令和元年東日本台風(東日本)
2020年7月 令和2年7月豪雨(西日本から東日本、東北)
2021年7月 令和3年伊豆山土砂災害(静岡県熱海市)
令和元年東日本台風での豪雨浸水被害
地震でも風水害でもいちばん大事にするべきは、「自分の命を守る」ことです。一人ひとりが自分の命を守ることで、災害による被害は少なくなります。災害発生時に落ち着いて行動できるように、住居での安全対策をしておきましょう。また、外出時に災害に遭遇した場合も想定して、身の安全の守り方を知り、備えておきましょう。
災害発生時の被害を最小限に抑えるためには、事前に備えておくことが重要です。地震では家具類の転倒や落下が負傷などの原因になりますから、対策を行いましょう。風水害の発生時は、窓の養生などを行い、極力外出しないことをおすすめします。
また、備蓄品や非常持ち出し品、お薬手帳など個人的に必要なものも準備してください。公共電波による最新情報を得るため、ラジオも非常持ち出し品のリストに加えておきましょう。
災害時には隣近所との協力も必要になります。阪神・淡路大震災の際は、隣近所の人による救助で27,000人もの命が助かったとされています。町内行事への参加など日常的に交流しておきましょう。深い交流がなくても、顔見知りになっておけば、いざという時に力になります。
ハザードマップとは、自然災害による被害範囲の予測地図のことです。お住まいの地域で自然災害が発生した場合の危険性や避難所情報をいま一度確認しましょう。
2021年5月より、大雨などの災害時に自治体が発表する避難情報は「避難勧告」が廃止されて、「避難指示」に一本化されるなど変更されました。5段階の警戒レベルのうち、レベル4の「避難指示」の段階までに危険な場所から避難することが重要です。
レベル3は「高齢者等避難」
高齢者や体の不自由な人は避難を始めてください。
レベル4は「避難指示」
危険な場所にいる人は、全員避難が必要です。
レベル5は「緊急安全確保」
命を守るための最善の行動をとってください。
早めの避難行動が大切ですが、行政が指定する避難所が開設されていないこともあるので、最新情報を確認しましょう。
「もし災害が起こっても、自分は大丈夫」と思ってしまうのが人間の心理です。「大丈夫じゃないかも」という気持ちで、正しい情報を得て、備えましょう。災害発生時も「これぐらいなら避難しなくてもいいだろう」と考えず、「命を守る」ための行動を取りましょう。被害を受けなかったとしても、「次の災害への練習だ」と捉えればいいのです。
高齢者や障がい者など避難生活において特別な配慮を必要とする方々を対象とする福祉避難所が開設されることもあります。また、ペットと一緒に避難できる同行避難所も増えています。お住まいの地域にお問い合わせください。
コロナ禍でも避難指示が出たら、危険な場所から避難しなくてはいけません。避難所では感染リスクが高まらないように、マスク着用と手洗いを心がけて3つの密を避けましょう。
阪神・淡路大震災を契機に創設され、災害時におけるボランティア活動や自主的な防災活動の認識を深めるとともに、災害への備え等の充実強化を図ることを目的としています。P11に詳細が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
京都市市民防災センターは、地震や風水害、火災時の対応など、災害の疑似体験を通じて、災害時の行動や日頃の備えの重要性について、『見る』『聴く』『触れる』『感じる』ことで学べる施設です。
※ただ今、事前予約制による防災体験ツアーの受付をしております。詳しくはお問い合わせください。
地震体験コーナー
土砂災害体験コーナー
施設外観
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写真はイメージです。