機関誌いずみ2022年12月号特集ページ

ユニセフを知っていますか?世界の子どもたちに私たちができること

世界には、紛争や自然災害、貧困などによって苦難を強いられている子どもたちがいます。子どもたちの命と健康を守るために活動している、公益財団法人日本ユニセフ協会に、活動内容や必要な支援についてお話を聞きました。

ユニセフとは?

 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健康と未来を守るために活動している国連の機関で、約190の国と地域で活動しています。その活動資金は、すべて個人や企業、団体、政府などからの募金や任意拠出金でまかなわれています。日本ユニセフ協会は、ユニセフ本部との協力協定に基づき、募金活動、広報活動、アドボカシー活動(政策提言)に取り組んでいます。

世界の子どもたちは

子どもたちを取り巻く問題

世界の子ども(18歳未満)の6人にひとりは、極度の貧困※にあるとされ、「栄養不足」「教育を受ける機会の損失」「児童労働」「児童婚」などさまざまな問題に直面しています。

※1日1人約200円相当(生活に関わるすべてに必要とされる金額)以下でくらしている状態

コロナ禍が子どもにおよぼす教育の貧困

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、子どもたちにさまざまな問題をもたらしています。特に、低中所得国の教育貧困問題は深刻で、支援の手が差し伸べられない場合、深刻度が増すと予測されています。そのため、ユニセフでは質の高い教育が行えるように、先生に対しての研修指導を実施しています。また、デジタル学習の環境整備への投資や教育費への割合を増やす政策提言などを行っています。

気候変動も影響

洪水やサイクロン、熱波などの異常気象・気候変動による自然災害も、子どもたちが直面している大きな問題のひとつです。ユニセフは、水や衛生設備、保健、教育などの必要不可欠なサービスを子どもたちが利用できるようにすることで、子どもたちの気候危機を生き抜く力を向上させるための支援を行っています。また、各国政府や産業界に対し、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するための取り組みを積極的に行うよう求めています。

ユニセフはどんな支援をしているの?

ユニセフの主な活動分野をご紹介します。
支援の届きにくい子どもたちを最優先に、さまざまな支援活動を行っています。

栄養

子どもたちの発達の基礎となる栄養への正しい知識を持てるように、母乳育児の推進や母親支援を行っています。また栄養価が高く安全な食事を持続的に入手できるようにする活動を行っています。

保健

予防接種の普及、安全な水や衛生的な環境の確保、母乳育児の推進、栄養改善など総合的な支援を行っています。医療従事者の育成も支援します。

水と衛生

汚水や不衛生な環境は感染症などを引き起こす可能性があるため、井戸やトイレなどを設置し、衛生的な生活を送れるようにします。また、石けんを使った手洗いなどの衛生教育もすすめています。

教育

学習資材の提供、教室やトイレなど教育施設の整備、教員への指導用マニュアル作成や研修を実施。性別の区別なく、すべての子どもたちに質の高い教育を提供する活動を行っています。

子どもの保護

暴力や児童労働、児童婚、武装勢力などから子どもたちを守ります。子どもたちに犠牲を強いる大人たちに対話を図り、子どもたちを保護、学校や社会、親元へ戻すケースもあります。また出生登録の届け出の促進も働きかけています。

緊急支援

武力紛争危機や自然災害などの発生によって、必要とされる短期的な支援も行います。コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターをはじめとする各地の供給箇所から、ニーズに合わせて迅速に届けられる物流システムが構築されており、一刻を争う緊急事態下において重要な役割を果たしています。

募金の種類

ユニセフ募金には、ユニセフの活動全体を支える一般募金、募金者が支援する国・プログラムなどを選べる指定募金、紛争や自然災害などから子どもたちを守る緊急募金があります。

一般募金
1回限定の募金、ユニセフの活動全体を支える募金です。最も支援が必要な子どもたちの支援を好きな時に行えます。

指定募金
特定のユニセフの活動分野や、ユニセフが活動を行っている国・地域を指定して支援できる募金です。

緊急募金
地震や津波、洪水、台風などの自然災害や紛争で被災した子どもたちのための緊急・復興支援活動を支える募金です。

あなたの募金がこんな形で子どもたちをサポートします。

※経口ポリオワクチンは子ども1人3回接種が推奨されています。

募金はこのように使われています。
日本ユニセフ協会YouTube100円の旅 ~みなさまのご支援で
詳しくはこちら

ユニセフによるウクライナ支援

ユニセフは1998年からウクライナで活動しています。ウクライナ東部で8年間続いていた紛争が、今年2月以降は首都キーウを含む複数地域へ拡大、武力衝突が激化しています。人道支援を必要とする人々の数が増加しており、ウクライナ国内において、子どもたちと家族のための支援活動を続けるとともに、周辺国のウクライナ難民支援も行っています。

ウクライナ北部チェルニーヒウで、
倒壊した家の前で1か月以上ぶりに孫と抱き合う女性
(2022年4月15日)

安全確保から教育提供までさまざまな支援

難民を受け入れている周辺国では、「ブルードット」と呼ばれる支援拠点を設置し、さまざまな支援を行っています。

  • 保健医療・支援物資の提供
  • 水道インフラの損傷による断水がある地域で安全な水を提供
  • 暴力、虐待、搾取の危険にさらされる保護者のいない子どもたちを保護
  • 医薬品、救急キット、助産キット、手術器具など医療物資を提供
  • 教育キット、乳幼児期の子どもの発達用キットなどを提供し、子どもたちへの遊びや教育の機会を支援

危機の長期化とともに、新たなサポートも必要となってきました。難民の子どもの学校への受け入れなど学習機会の拡大や、カウンセリングによる子どもたちの心のケアなども行い、子どもたちの命と安全な生活を支援します。

ウクライナ北東部のハルキウで、
避難している地下鉄の駅で遊ぶ7歳と9歳の女の子
(2022年4月19日)

ユニセフは、戦争や紛争が続く国はもちろん、経済的に豊かで一見「平和」な国でも、すべての子が、子どもらしく生きられる環境のため、子どもたちの心や日常に「平和」を取り戻すため、子どもたちが社会を変える力となるように、約190の国と地域で活動しています。
すべての子どもたちの命と未来を守るために、ユニセフ募金にご協力ください。

いずみ市民生協のユニセフ支援

全国の生協では、「平和とよりよいくらし」を実現するために、世界の子どもを支援するユニセフ支援活動として40年以上にわたって募金活動などを行っています。生協によるユニセフ支援活動は、1979年の国際児童年に国際協同組合同盟(ICA)からの呼びかけに応えた「バケツ一杯の水を送ろう」の取り組みからスタートしました。その後、アジア、アフリカで飢餓と貧困が深刻化するなか、ユニセフによる訴えに応え、日本生協連では、1984年よりユニセフ支援活動を全国の生協に呼びかけました。
いずみ市民生協もこれに賛同し、1985年からユニセフ募金活動に取り組んでいます。いずみ市民生協では、過去10年間で9,200万円を超える、組合員からの善意が寄せられています。

募金や支援活動について知りたいときは

アピエやホームページにてお知らせをしています。また、ユニセフについての学習会やイベントを開催しています。
コープのお店では、サービスカウンターに常設(一部店舗を除く)で、ユニセフ募金箱を設置しています。

いずみ市民生協の平和・ユニセフ支援活動

コープのお店の募金箱

ユニセフ一般募金にご協力ください

コープの宅配
募金受付:現在受付中~12月3回(12月16日(金)までの注文書提出分) ※eフレンズの募金受付ページは12月17日(土)まで

コープのお店
現在受付中~12月25日(日)まで
各お店のサービスカウンターに設置されているユニセフ募金箱にて受付

詳しくはこちら

「ユニセフ ウクライナ緊急募金」へのご協力、ありがとうございました

今年3月から4月に呼びかけ、2万人を超えるみなさまにご支援をいただきました。
寄せられた募金は、総額29,602,315円となり、日本ユニセフ協会に全額送金いたしました。

日本ユニセフ協会からのメッセージ
組合員のみなさまから、毎年たくさんの募金をいただいておりますことを心から御礼申し上げます。みなさま一人ひとりの思いが、子どもたちを支える力になっています。ユニセフの活動や世界の子どもたちの現状を知っていただき、今後も引き続きご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

「とまとちゃん」と「おにおん」のLINEスタンプ

スタンプ販売による収益は(公財)大阪ユニセフ協会を通じ、ユニセフへ募金されます。
スタンプは全32種類で税込120円(50coin)。ただ今、販売中です。

こちらから