機関誌いずみ2023年1月号特集ページ

火災を起こさない!起きてもあわてない!火災予防のためにできること

火災は誰もが見舞われる可能性のあるものです。とりわけ冬は空気が乾燥し、ストーブなど暖房器具を使う機会が増え、火災が多く発生する季節です。堺市消防局に、火災予防のポイントや火災に遭ったときに取るべき行動などを伺いました。日頃から注意して、火災を防ぎましょう。

火災が発生する原因は?

火災の約6割は建物内で発生し、そのうちの半数が住宅です。火災原因の上位3つは30年間変わりません。火災の原因を作らないようにして、予防に努めましょう。

原因 対策
放火火災 深夜から早朝にかけて、人目に付きにくい場所で発生します。特に、外出する人が少なくなる冬(1~2月)は放火による火災が増加します。
  • 人が近づきやすい場所(家のまわりなど)に燃えやすいものを置かない。
  • ゴミ置き場、物置などは鍵をかけておく。
  • ゴミは収集日前夜に出さず、指定の収集日に出す。
  • センサーライトや防犯カメラを設置する。
コンロ火災 コンロでの調理中の来客や電話、用事を思い出すなどで、コンロのそばから離れ、火を消し忘れて火災に至るケースがあります。
また、最近は電気ケトルやインスタントカップ麺の容器を直火にかけるなど、誤使用による火災を招くケースも増えています。
  • コンロのそばから離れる際は必ず消火する。
  • コンロの近くに燃えやすいものを置かない。
  • 調理の際は、調理道具を正しく使用する。
  • いざという時のために、固く絞った濡れタオルを用意しておく。
    →引火した際は濡れタオルを手前から奥に向けて、火に覆いかぶせる。

※奥から手前に濡れタオルで火を覆うと、火傷の可能性があり、非常に危険です。必ず手前から奥にかぶせましょう。

たばこ火災 喫煙率は減少していますが、たばこ火災は減少していません。寝たばこや歩きたばこによって飛んだ火種は火災の原因になります。
  • 寝たばこ、歩きたばこはしない。
  • たばこは完全に消火する。
  • 灰皿に水を入れておく。

最近、増えてきた火災の原因は?

コンセントプラグ接触部やモバイルバッテリーの過熱、トラッキング現象※による電気火災が増えています。冷蔵庫やテレビ、洗濯機、パソコンなどコンセントプラグを長期間差し込んだままにしていると、トラッキング現象が起きやすいとされています。定期的にコンセントプラグを抜いて、掃除を行ってください。
作動しにくいときにコンセントプラグを引っ張る、叩くなどの行為は断線や接触不良を引き起こし、火災のリスクを高めます。家電製品や延長コードはメーカーの耐用年数に従って使用しましょう。また、純正品を正しく使用することが望ましいです。

※トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間にほこりが溜まり、そのほこりが空気中の湿気を吸収することで、漏電し発火する現象。

詳しくはこちらから

冬場はロボット掃除機の使用にも注意!

自動で室内のゴミを吸い取ってくれるロボット掃除機を電気ストーブのある部屋で使うのは避けましょう。ロボット掃除機が電気ストーブを燃えやすいものがある場所に移動させて、火災を引き起こす事例が増えています。

使用時は必ず電気ストーブの電源をOFF!

1月に多い火災原因は?

電気ストーブ・石油ストーブ
  • ストーブを点けたまま就寝。就寝中に布団がストーブを覆うことによる火災。
  • ストーブのそばで洗濯物を乾かすことによる火災。
  • スプレーやカセットボンベをストーブのそばで使用することによる火災。

このような事例が起こっています。使用する際は十分に注意しましょう。

消毒用アルコール 新型コロナウイルス感染症の流行によって、消毒用アルコールを使う機会が増えていますが、火のそばで使用すると引火し危険です。

日頃から火災予防対策

家庭内 住宅用
火災警報器
火災によって発生する煙を感知して警報を鳴らし、火災の発生を知らせる機器です。消防法で住宅の居室での設置が義務付けられていますが、10年使用で交換とされています。また定期点検で正常に作動することを確認しておきましょう。
消火器 家庭用消火器には粉末タイプ、エアゾールタイプなどがあります。万が一の時に使いやすいように、家族の誰もが取り出しやすい場所に置いてください。使用期限の確認も大切です。
防炎品 防炎カーテンや防炎カーペット、防炎寝具は延焼拡大を遅くさせます。
外出時 避難経路の確認 商業施設やホテル、公共施設などの外出先では、避難経路や避難口、誘導灯や非常階段を確認し、もしもの時の行動を想定しておきましょう。

コープの宅配で購入できる火災予防グッズの紹介

※くらしのパートナーに掲載されています。

箱のままいれるだけ 天ぷら火災用消火具

(次回企画1月4回 注文番号040230)

天ぷら火災時に「箱のまま」入れるだけ。
突然の天ぷら火災にも慌てずに!保管時に台所でかさばらないのもおすすめです。

防炎協会認定 アルミ防災ずきん

(次回企画1月4回 注文番号040165)

クッションにもなる防災ずきんです。子どもから大人まで使える、いざという時の非常時の必需品です。炎から大切な頭を守ります。

もし、火災に遭遇したら

火災を見つけた場合

  1. ひとりで対応しない。「火事だ」と声を出す、非常ベルを鳴らすなど周囲に伝える。
  2. 119番通報。
  3. 消火器やバケツの水などで、消火活動を行う。
  4. 避難する。

室内で火災が起こった場合

  • 火のないところに避難する。避難行動の際はハンカチなどで口を押さえ、低い姿勢で動く。
  • 燃えている部屋の窓や扉を密閉する。

※火を閉じ込めることで酸素が少なくなり、炎が小さくなるため。

有毒成分を含む煙を吸うと、1~3秒で一酸化炭素中毒を引き起こし、気を失います。有毒濃度が濃い煙の場合、命を落とすこともあります。

通報や消火活動は?

「火災発見は通報しなくてはならない」ことが消防法によって定められています。自分の身の安全を確保した上で、小さな火でも119番へ通報しましょう。「火事です」と告げると、消防側から「どこで」「何が」「どのように」燃えているか、負傷者の有無などを質問します。
また、私有地や知らない人の持ち物が燃えていても、消火活動をためらう必要はありません。火災発見者は、消防隊が到着するまで消火活動を行うことが認められています。

お話を聞いたのは堺市消防局

堺市消防局では、LINE公式アカウントを開設し、火災予防に役立つ情報を随時発信しています。
また、火災に関する用語の解説も自動で行います。疑問に感じたことや知りたい単語を入力して、火災についての知識を深めましょう。堺市以外の方のアクセスも可能です。

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予防査察課
宮本 圭造さん(左)、楠本 匠さん(右)

堺市消防局

昨年4月にオープン!
堺市総合防災センターのご紹介

堺市美原区に堺市総合防災センターがオープンしました。地震や風水害など、突然襲ってくる自然災害に備えて、体験しながら学ぶことができる施設です。ぜひお越しください。

【住所】:堺市美原区阿弥129-4
【開館時間】:9:00~17:15
【入館料】:無料
【駐車場】:無料(普通車45台駐車可)
【休館日】:毎週月曜日(祝休日の場合翌日)、第3火曜日、年末年始

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