機関誌いずみ2023年4月号特集ページ

4月18日はよい歯の日

歯がズキズキ痛くなり、慌てて歯医者に駆け込む経験は誰しもあるのではないでしょうか。でも実は症状が出る前の予防が一番大事!歯だけではなくお口全体の健康を保つオーラルケアがとっても重要です。そこで今回はお口の健康について考えてみましょう。

お話いただいたのは‥‥

清水 知美さん(左)、野沢 有住さん(右)

サンスター株式会社 リテール統括部 コープ営業部
組合員向けの学習会も実施しています。

歯の大切な役割

歯の機能は大きく分けて4つ、“食べる” “話す” “顔の形をととのえる” そして“運動能力”があります。特においしく“食べる”ためには、平均で20本の歯が必要だと言われ、1989年に現・厚生労働省と日本歯科医師会が「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」を提唱しました。当時は80歳で20本以上残っている人は11%程度でしたが、2017年には51%の人が20本以上残っているとの調査結果が出ました。歯に対する意識の高さが数字にあらわれています。

また、歯の喪失の2大要因は歯周病と虫歯と言われています。特に歯周病は、全身疾患とも関係があると言われています。

歯周病ってどんな病気?

歯周病は世界で一番多い細菌感染症で、「歯肉炎」と「歯周炎」を総称する歯ぐきの病気です。「歯肉炎」は比較的軽度で歯周病菌により歯ぐきが炎症を起こす状態。症状は歯ぐきが赤く腫れる、ちょっとしたことで歯ぐきから出血するなどです。「歯周炎」は歯槽膿漏とも呼ばれる重度の状態で、口臭がひどくなったり、冷たいもので歯がしみるなどの症状が引き起こされます。放置しておくと炎症が進み、歯肉や歯を支えている歯槽骨までも破壊されてしまいます。

歯周病の原因は、歯垢の中の歯周病菌であるため、歯垢が溜まりやすい歯と歯肉の境目の歯周ポケットの清掃が大切です。

30代以上の約70%が歯周病?

歯周病の恐ろしさは、症状に気付かず進行してしまうことです。最大の理由として虫歯は進行に伴い痛みが出ますが、歯周病は痛みをあまり感じないからです。30代以上では10人のうち約7人は歯周病にかかっていますが、自覚のある人はたった3人程度という調査結果が出ています。

歯周病のこわ~いリスク

歯周病は歯を失う原因になるだけではなく、全身疾患を引き起こすリスクがあることが近年わかってきました。肺炎や気管支炎、心臓血管疾患、糖尿病、骨粗鬆症、低体重早産などの疾患と関係があるとされ、お口の健康を保つことは自分の健康のためにも重要な役割となっています。

歯周病にならないための2大原則

そこで大事なのが「自宅でのセルフケア(毎日の歯みがき+歯間掃除具の使用)」と「歯医者での定期的なチェックや歯石除去」です。定期検診は3~6か月が目安と言われています。

✅あなたは大丈夫?歯周病チェック

1つでもチェックポイントがあれば歯医者の受診をお勧めします。

  • 歯がグラグラする
  • 歯ぐきから出血する
  • 冷たい水でうがいをすると歯がしみる
  • 歯石がたまっている
  • 歯が長く見えるように感じる
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 起きた時、口の中がネバネバしている

子どもにきちんと伝えたい正しいオーラルケア

子どもの頃からオーラルケアを習慣づけることはとても大切です。そのために、大人が子どものためにできることを考えてみましょう。

歯みがき習慣の大切さを伝える

乳歯が生え揃ってきたら家族で歯みがきをしている姿を見せましょう。トレーニング用の歯ブラシを与えて、歯ブラシ感覚に慣れさせることも大事です。

歯みがきを楽しい時間に

力が少し強くて痛かったり、一生懸命になりすぎて険しい顔をしていませんか?上唇の裏にヒダがありここに歯ブラシが当たると痛いので指でちょっと押さえて磨いてください。音楽をかけたり、歯医者さんごっこをするなど、少しユーモアを加えることもポイントです。

小学校低学年までは仕上げみがき

永久歯列が完了するまで、週に一度は仕上げみがきをすることをおすすめします。
※仕上げみがき…みがき残しを防ぎ、健康な歯を保つため、大人が子どもに行うケアのこと。

歯医者さんに慣れさせる

子どもの歯は虫歯になりやすく進行が早いので、歯科検診を定期的に受けることをおすすめします。初めての歯医者が虫歯治療だと恐いイメージになりがちですし、初期の虫歯や噛み合わせの問題なども早期発見することもできます。

フッ素を取り入れた歯みがきを

子どもの歯を健康に保つためには、ブラッシングに加えてフッ素を取り入れることも効果的です。ブクブクうがいができるようになったら、フッ素入りのジェルや歯みがき粉を使った虫歯予防をスタートさせましょう。毎日使うほど効果的で、フッ素を口に残すことで虫歯予防になりますよ。

歯科医院では、医薬品で高濃度のフッ素配合タイプが使われます。定期検診などで、フッ素塗布について歯科医師に相談しましょう。

健康寿命を延ばす秘訣!オーラルフレイル予防とは!?

誰もが加齢と共に心身機能が低下し、健康で自立した生活から、支援が必要な状態へと進んでいきます。その途中には筋力や心身の活力が低下したフレイル(虚弱)と呼ばれる段階があります。

オーラルフレイルとは、口まわりの筋力が衰えることなどにより、滑舌や食の機能が低下することで、お口の衰えのことを指します。これが全身のフレイル(虚弱)に繋がる悪循環の入り口となってしまうのです。

健康寿命を延ばすためには、「歯周病や虫歯で歯を失わず、噛める歯を残すこと」「食べる、話す、または唾液の分泌などお口の機能を維持すること」が重要です。早めに気づいて予防・改善することで健康な状態に戻すことができます。

こんなことありませんか?オーラルフレイルの例

  • 食事を食べこぼす
  • お茶などでむせる
  • 硬いものが食べづらい
  • 滑舌が悪くなる

歯ブラシ・歯間ブラシの選び方ポイント

歯を1本ずつ磨くことができるように、ヘッドが小さなタイプがおすすめ。毛はナイロン製でやわらか過ぎず、毛足は短めのものを。また、歯間ケアには歯間ブラシは欠かせません。一般的な糸タイプなど数多くありますが、自分が使いやすいものを見つけましょう。

歯ブラシの交換時期は?

毛先が広がってきたら交換時!広がっていなくても1か月に1本が目安です。早めの交換をおすすめします。

サンスターさんより組合員のみなさまへメッセージ

オーラルケアは“食べる”だけでなく、健やかにくらすためにも欠かせないものです。いつまでも健康な歯を維持できるよう、今一度、自身の歯をチェックしてみてくださいね。

コープの宅配でサンスターのオーラルケア商品などを取り扱っています。ぜひご利用ください。