特集:作る人と食べる人をつなぐ生産者の「産直」への思い 第2弾

2308featuresamune_01_1.png

f_04@4x.png

いずみ市民生協の「産直」とは?

産直は、「安全でおいしい生鮮食品を」という組合員のニーズに応えて、組合員と生産者がともに育ててきました。
「顔の見える安心感」や「確かな信頼」が支持されている、生協の生鮮食料品のブランドです。

f_01@4x.png

安全でおいしい生鮮食品をお届け

各産地に担当バイヤーが足を運び、栽培や育成について点検を行い、産直にふさわしい商品を選定します。
誰がどこでどのような方法で育てているのかが、明確なのも産直商品の特徴のひとつです。

顔の見える安心感

商品をお届けするだけではなく、組合員と生産者の交流を大切にしています。産直商品の学習会や産地を訪問する交流会の実施、さらに組合員による産直商品の魅力発信なども行っています。

食料自給率の向上にもつながる

私たちが産直商品を購入することで、生産者が商品を安定して作り続けることができます。また、日本の農林水産業を応援し、食料自給率の向上や豊かな地域社会づくりにも役立ちたいと考えます。

f_02@4x.png上記QRのURL: https://www.izumi.coop/safeproduct/sanchoku/index.html

生産者が伝えたい~商品や産直への思い~

「久米島産もずく」産直登録までの道のり

f_03@4x.png

 

Q. 産直登録までのエピソードを教えてください。

海産物のきむらや・竹本さん: 海産物のきむらやと、久米島漁協との直接の取引が始まったのが2008年10月。いずみ市民生協でも"久米島産味付糸もずく"の販売を開始しました。2011年7月には"久米島産太もずく"が商品化され、今は定番で6品目を販売しています。

産直登録のきっかけですが、いずみ市民生協では職員研修で久米島を訪問するという話を聞き、「商品も販売しているし、ぜひこの縁を繋げたい」とアプローチしました。その中で「久米島産のもずくを購入していただいた中から基金を貯めて、環境に役立てませんか?」という提案が通り、久米島美ら海環境基金(※)が始まりました。このご縁がきっかけで、2014年にいずみ市民生協の水産部門第一号の産直登録となりました。
産直のイベントや学習会に参加した時に組合員さんから「あの環境基金の久米島産もずくですよね!」と声をかけられることが多く、認知度も高まってきていると実感しています。

f_05@4x.png

久米島美ら海環境基金とは?

久米島美ら海環境基金は、おいしいもずくを育てるための海づくりを目的とした環境基金として2014年に設立されました。コープの宅配・お店で購入された久米島産もずく1パックにつき3円を、いずみ市民生協、わかやま市民生協、製造元である(株)海産物のきむらやで協力して積み立てています。寄付金は、海岸の漂着ゴミなどの除去、赤土の流出を防止するベチバー(イネ科の植物)の植え付けなど、環境保全活動に活用されます。もずくを食べることで、久米島の環境を守り、安全・安心なもずく作りにつながります。

f_06@4x.png

産直としての誇り~組合員からの言葉がうれしい~

Q. 産直でよかったことを教えてください。

久米島漁業協同組合・田端組合長: 組合員さんと交流でき、直接声を聞けることです。生産者として、久米島もずくを褒めてもらえるのは本当にうれしいです。基金については、久米島の海の環境のために島外の方にこんなに協力していただき、一緒に活動ができている。こんなうれしいことはないし、モチベーションも上がります。特に直接、組合員さんとお話ができる機会があるのはありがたい。これからもこの関係を大切にしていきたいと思っています。

f_07@4x.png

 

久米島漁業協同組合・譜久里参事: 4年ぶりに産地交流をして、みなさんと顔を見て話ができたのが本当にうれしかったです。もずくを食べていただいてみなさんの「おいしい」という言葉と表情を見られて幸せでした。コロナ禍もオンラインで学習会等は開催していましたが、オンラインでは得られない感覚がありました。

「産地を訪ねる旅プラン」で交流を深めました!

産直といえば、組合員と生産者が交流する「産地を訪ねる旅プラン」。
4月下旬に「久米島コース」を4年ぶりに実施し、19人の組合員が参加。久米島漁協のみなさまと交流を深めました。

f_09@4x.pngf_10@4x.png

参加者の声

美しい久米島の海岸に、ごみがたくさんありショックでした。そんな中、久米島のみなさんが環境保全の取り組みに注力され、もずくが生産されていることを知りました。もっとたくさんの人に知ってもらい、基金が発展することを願います。

実際に漁協に伺い、水揚げされたばかりのもずくを拝見、試食をさせていただきました。想像以上に収穫量が多く、なくならないのか不安になるほどだったので、安定した供給ができているのだなと実感しました。

一番感じたことは「もずくに対する愛情」です。豊かな自然の中で、島の環境ごと愛情を持って栽培されている姿が印象的でした。

久米島産もずくの特徴

f_11@4x.png

久米島漁協で取れたもずくは、海産物のきむらやへ入荷します。その方法として塩をつけて保存する塩蔵と生凍結があります。太もずく(※)は塩蔵での入荷が主流。一方、収穫した糸もずく(※)は塩蔵を行わず、生凍結します。これにより、糸もずくが持つ最大の特徴である豊富なヌメリが損なわれることなく、滑らかで口当たりの良い製品に仕上がります。他メーカーでは糸もずくも塩蔵にするところもありますが、久米島漁協のこだわりで、ヌメリを大切にするためにあえて生凍結での入荷となっています。また淡水の混ざる海域も少ないので、鮮やかな色に仕上がるのも特徴です。

※「太もずく」と「糸もずく」の違いは?

違う種類の海藻です。
「太もずく」は、褐藻類・ナガマツモ科の「オキナワモズク」という種類です。
繊維の内側にぬめり成分があり、コリコリっとした歯ごたえのあるものがよい品質です。
「糸もずく」は、褐藻類・モズク科の「モズク」という種類です。
繊維のまわりにぬめり成分があり、ヌメリがあって柔らかく、なめらかな口あたりのものがよい品質です。

 

Q. 1年でどれぐらいのもずくを収穫していますか?

久米島漁業協同組合・譜久里参事: 漁師1人あたり太もずく700枚(※)、早摘み200枚、糸もずくは300枚位が目安です。久米島漁協は40人ほど在籍しており、久米島全体で平均約1,200tの収穫となります。

※1網を1枚と表現します。1網(1枚)で穫れるもずくの平均収穫量は約70kgとなります。

f_12@4x.png

Q. 質のよいもずくを作るために気を付けていることはありますか?

久米島漁業協同組合・田端組合長: 作業中は網の上のゴミをこまめに除去するなど、手間をかけるほど質のよいもずくが水揚げできます。現在は養殖が主流で、少し前までは獲れていた天然もずくはほとんど収穫できません。地球規模の温暖化を始めとする様々な環境被害により、藻場の減少などが進んでいるからです。藻場再生などを進めるためにも、この"久米島美ら海環境基金" は不可欠なのです。また、異物混入が一番品質を損ねるので、3年に一回は網を取り替えています。もちろん海中の雑草除去もこまめにしています。収穫後は船上で異物洗浄機を使い洗ってから箱に詰めていきます。そして一番怖いのは自然災害。特に夏は台風の影響を受けやすいため、台風を避けるように10月から苗つけを初めて、最終的には6月には作業が終わるようにしています。

f_13@4x.png

組合員のみなさまへメッセージ

久米島漁業協同組合・田端組合長: ぜひ久米島に来ていただき、私たちのもずくや海への思いを肌で感じてほしいです。またおいしい久米島の水産物を食べに来ていただき、もっと久米島を好きになってほしいです。これからも久米島もずくを愛していただければうれしいです。

 

久米島漁業協同組合・譜久里参事: もずくは献立の脇役ではなく主役になってほしいです。組合員さんにはこんな商品を作ってほしいなどぜひ要望を寄せてほしいです。またお会いし、交流できることを楽しみにしています。

 

海産物のきむらや・竹本さん: この10年間、いずみ市民生協の産直登録と"久米島美ら海環境基金"で久米島産もずくは組合員のみなさまに浸透してきました。久米島漁協とさらに連携して、もっとよりよい商品開発をしていきますので、これからもご利用をよろしくお願いします。

f_14@4x.png

grade3.png





TOP