リサイクル発のおいしい野菜をどうぞ

今月の特集

いずみ市民生協のお店や物流センターでは、たくさんの食品残さ(野菜くずや食品の廃棄物)が出ます。
それらを有効活用して、野菜を育てる取り組み「食品リサイクル・ループ」についてご紹介します。

ぐるりめぐって環境にやさしい
"循環型の社会"をめざしています

いずみ市民生協では、事業から出る紙類や段ボール、プラスチックなどの容器、またお店や物流センターから出る食品残さなどを分別し、可能な限り再資源化しています。
持続可能な循環型社会を実現するための「2050ゼロ・エミッション宣言」では、CO2排出量、プラスチック容器包材の排出量、宅配の商品カタログなどの紙の使用量、食品廃棄物の4つの分野において事業・活動からの排出物をゼロにすることを公表しています。
なかでも、毎日の食事にかかわる食品廃棄物の削減は、私たちにとっても身近な話題ですよね。

食品廃棄物の削減の進ちょく状況

食品ロスをなくし、食品廃棄物の削減と有効利用をすすめています。

2018年度を基準年排出量とした場合、2024年度は基準年比48.2%減、2030年度は50%削減、2050年度は廃棄ゼロを目標にしています

廃棄ゼロに向かってGO
食品リサイクル・ループの
取り組み

お店や物流センター、食品加工場では、毎日大量の食品残さが出ます。本来、ゴミとして捨てられるはずのものを利用して、たい肥化し、そのたい肥を使って野菜作りを行い、収穫した野菜を組合員にお届けしています。
このサイクルを「食品リサイクル・ループ」といいます。

お店・食品加工場,ハートコープいずみ、いずみエコロジーファームをループする食品リサイクルの図

お店・食品加工場

お店から出る野菜くずや惣菜、パンの残りものなど、廃棄されるものを各店舗から回収。

スーパーのトマト売り場

物流センター

カット野菜の端材や、配送できなかった商品を回収。

大量のキャベツを切る様子

ハートコープいずみ

お店や物流センターから出た食品残さをたい肥化。

ハートコープいずみの外観
堆肥化された食品残さ

いずみエコロジーファーム

食品残さからできた、たい肥を使って野菜を栽培。収穫した野菜の仕分け・加工も担当。

いずみエコロジーファームで働く人々
芽を出した苗

お店・宅配

たい肥を使って栽培した野菜を販売

食品リサイクル・ループマークがついた野菜

▲食品リサイクル・ループからできた野菜にはこのマークがつけられています。

お店や物流から出る食品残さの量
2024年度
年間595t
食品残さからできるたい肥の量
2024年度
年間56t
たい肥からできた野菜
2024年度
5品目
610,000

こんなに食品残さがあるなんて! そこからお野菜がたくさんできるんだね。

食品リサイクル・ループの
キーパーソン

回収した食品残さをたい肥にハートコープいずみ

ハートコープいずみは、いずみ市民生協の事業によって出る廃棄物の再資源化を行う会社です。リサイクル事業以外にも、物流センターの清掃や通い箱の洗浄などさまざまな業務を担っています。

食品残さの回収

お店から毎朝届く食品残さは1日50〜60樽!パッケージに入っているものと野菜を選別します。

液体、ヨーグルト、油分、糖分、水分はたい肥化NGなんだって

脱水

水分が多いとたい肥化に時間がかかるため、脱水作業を行います。

装置で発酵

脱水したものをたい肥化装置へ入れ、熱を加えながら3日間かけて発酵させます。

たい肥

年間約260tの食品残さから約26tのたい肥ができます!

さらさらしていて、
ほとんど匂いはありません

たい肥化以外のリサイクルも担当
  • ●牛乳パック、たまごパック、発泡トレーなどを回収・販売

  • ●宅配で使用している通い箱や保冷剤の洗浄

  • ●2023年からはこども服リユースの回収販売をスタート

リサイクル発のたい肥で野菜づくりいずみエコロジーファーム

いずみエコロジーファームでは、リサイクルから生まれたたい肥を使って野菜を育てています。
ハートコープいずみから持ち込まれるもの以外に、自社でも食品残さを利用してたい肥化を進めています。
また、収穫した野菜の選別・加工なども行っています。

たい肥化

いずみエコロジーファームでも食品残さを使って、たい肥を製造しています。
良品質なたい肥をつくるために装置のメンテナンスはもちろん、食品残さ品目のNGリストの見直しも行います。

ニラやバナナは装置を故障させてしまう原因になるんだって。
食品残さの仕分けも大事なお仕事なんだね。

野菜の栽培

たい肥を使って野菜づくりをしています。

農産加工

収穫された野菜は、物流センター内にある農産加工場へ。スタッフが選別、計量、袋詰めを行っています。

畑で使うたい肥
ハートコープいずみ分 24t/年
いずみエコロジーファーム分 36t/年
こんなにいっぱい出荷しています!

主な出荷物

小松菜(通年) 511,000袋/年
きゅうり(夏季) 99,000袋/年

気候や季節に合わせた品種の選定を行うなど、コープのお店、宅配にかかわらず、一般の量販店に出荷しても喜ばれる品質の野菜をつくることを心がけています。今年は、食品工場向けの青ネギの栽培にチャレンジする予定です。

いずみエコロジーファーム
渡辺社長

捨てられるはずだったものから

いずみ市民生協がめざす"食品廃棄物の削減"。2024年度の廃棄量は646.3t、食品リサイクル率は56.8%でした。本来は捨てられるはずのゴミをたい肥にして、良質な野菜としてループさせる取り組み。お店や宅配で「コープ彩園ベジタブル」を見かけたときは、一度、お試しください。

◀コープ彩園 ベジタブル

◀コープ彩園ベジタブル

食品リサイクル・ループを支えるみなさん

はたらく喜び、くらしに笑顔 
リサイクル事業に障がい者雇用

株式会社ハートコープいずみは、「障害者雇用促進法」に基づき設立された、いずみ市民生協の特例子会社。社員数47人のうち41人が障がいのある社員で、たい肥の製造、受託作業のほとんどを担当しています。

農業生産法人 株式会社いずみエコロジーファームは、就労継続支援A型事業所として一般就労が難しい障がい者を雇用し、各人の能力に応じて指導を行い、自立を支援しています。現在、畑と農産加工場でそれぞれ7人の障がい者スタッフが働いています。





TOP