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「特定外来生物」のアライグマ。「特定外来生物」はもともと日本には生息していない生物で、外来生物のうちさまざまな被害を及ぼすものとして指定され、原則として飼育したり野外に放ったり他地域に移動させたりすることが禁じられています。アライグマも人間が国内に持ち込んで野生化し、近年では生息数が急増して農作物や人家への被害まで拡大しています。アライグマの特徴や被害状況、私たちの注意点などを、大阪府動物愛護畜産課野生動物グループと生物多様性センターの方々に聞きました。
大阪府環境農林水産部
動物愛護畜産課
野生動物グループ
德原 顯泰さん
地方独立行政法人
大阪府立環境農林水産総合研究所
生物多様性センター
(左)石塚 譲さん、(右)幸田 良介さん
アライグマは大阪じゅうにいて、都市部でも捕獲されています。
捕獲頭数で見てもこれだけ増えています。
■アライグマが今までに
捕獲されたことがある地域
※1kmメッシュ単位で集計
資料:生物多様性センター
この足跡が特徴!体の形や色はハクビシンやタヌキとよく似ていますが、足跡が見分け方のヒントに。アライグマの足跡は左右で大きさが異なります。
雑食で、畑や家庭菜園の果物・野菜を食い荒らします。特に甘みのあるものを好み、気に入った食べ物をみつけると執着することも。食害で受ける年間被害額は約8,000万円(2024年度)で、農家によっては100万円単位の損失が出ています。
スイカ、とうもろこし、いちご、ぶどう など農作物が大好き!
手先が器用で木登りが得意だから、ぶどうの木や支柱に登って実を食べることもあるんだって!
繁殖期になると、人家の屋根裏に侵入して巣作りを始めることも。実際に、天井裏で糞尿の被害を受け、天井が腐ってしまったという事例も出ています。
また、庭の池の鯉や金魚などを捕食することもあります。
写真:(株)野生鳥獣害対策連携センター提供
絶対に餌付けをしたり触ろうとしないでください。ひっかきや噛みつきなどの攻撃をされる可能性がありますし、結果的に数を増やしてしまうことにつながります。刺激を与えないよう、静かにその場から離れましょう。こちらから危害を加えなければ、基本的にはアライグマの方から逃げていきます。
必要以上に恐れる必要はありませんが、脅かしたり追い詰めたりするなどの行為は、絶対にしないでください。
アライグマが引き起こす問題は、農作物被害や住宅侵入だけではありません。アライグマの体についたマダニを介して、日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)などの感染症が人に伝染することもあります。
2023年度に大阪府内でマダニが付着しているアライグマの割合を調査した結果、季節を問わず、平均6割の個体にマダニがついていることが明らかになっています。
※2月・4月はアライグマの捕獲がなく調査できず
資料:生物多様性センタ--
大阪府では動物由来感染症の発生防止のため、捕獲したアライグマを毎年検査しています。その結果、日本紅斑熱に対する抗体を持つアライグマの割合は、2015年度には1.0%だったのに対し、2024年度では55.9%に急増しています。
資料:大阪府動物由来感染症サーベイランス結果
まずは、畑や人家にアライグマを寄せつけないことが重要です。えさとなる生ごみやペットのえさの食べ残しなどは放置せず、適切に管理しましょう。畑への侵入防止には電気柵が最も効果的です。
マダニの活動が活発になる春から秋は特に注意が必要。刺されてから発症するまでの期間は、2日から8日程度とされています。症状は、発熱、発疹、頭痛、倦怠感などで、マダニが刺した場所にかさぶたのようなものが見られます。放っておくと重症化するため、適切に治療することが大切です。
資料:国立健康危機管理研究機構 感染症発生動向調査資料
(マダニの刺し口が
かさぶたになっている)
マダニは日本紅斑熱だけではなく、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった病気を媒介することもあります。野外での活動を行った場合は、たとえ4~5日前のことであっても、それを必ず医師に伝えるようにしてください。
早期に捕獲をすすめることで、農作物などの被害を減らすことはもちろん、新たに生まれてくるアライグマが減り、殺処分される個体数自体が減少するという考え方が大事です。
困ったときは、各行政区で捕獲檻を貸し出していますので、一度相談してみてください。
(德原さん)
アライグマも命を持った生き物であることに変わりはありません。しかし、人や農作物に被害を及ぼす場合は"害獣"として捕獲せざるを得ません。人間の行動が数を増やしてしまうこともあります。決して食べ物を与えるなどせず、距離をとってください。
(石塚さん・幸田さん)
